
特別企画
サンドアートで紐解く花田和治の世界
ゴッホの絵画に広重の浮世絵をもとにした作品が2点あることはよく知られている。
ゴッホは生涯日本にあこがれ、この作品を描かずにいられなかった。
これらは模写と呼ばれているが
絵画制作のトレーニングとして作られたものというより
先人へのあこがれや尊敬により同じものを作らざるを得ないという情動が生み出した結果であり
そういった精神が宿っていることで
その作品は後世の私たちへも感動を与える。
素晴らしい作品はその作品が持つ優れた表現に加えて
作者の精神性を見るものに感じさせる効果がある。
絵は装飾として視覚で見るという側面があるが、ただそれだけではなく
それを描いた画家の感情や精神を伝える伝達装置であると言えるのかもしれない。
優れたアーティストは、オリジナリティを大切にするので他のまねをしないという事が原則であるが、同時に人一倍優れた感性を持っており、それは優れた先人の精神と呼応せざるを得ない。
今回、SILTの船本は花田和治の作品をもとに砂絵というスタイルでアニメーションを制作した。
花田作品は絵画であり動かないものであるが
絵画が内包するリズムや躍動感がアニメーションという方法で動きやストーリーを与えられ
同時に砂絵という繊細な技法により落ち着いた美しいモノクロームの画面として表現されている。
花田作品の持つ魅力を船本は独自の感性で受け止め、新しい作品群を作り出した。
当然のこととして、これらの作品は花田作品に対する船本個人の解釈であり
鑑賞者は花田作品を見て、それぞれが異なった受け止め方をするだろう。
船本は単にモチーフとして花田和治の作品を使っただけではなく
花田作品の持つ精神性と船本のアーティストとしての精神の交流の結果として
新しい作品群を生み出した。
これらは、鑑賞者おのおのが持つ絵画に対する解釈における一つの優れた回答であり
花田和治の作品への尊敬だけでなく
新しい表現と展開を進めて行く実験であるともいえるであろう。
これから花田絵画の前に立つ鑑賞者達は、それぞれの方法でこれらの作品を受け止めるのであろうが
同時に船本の解釈したアニメーションをも目にすることとなり
花田和治という一人の作家から始まった芸術的展開が他の表現形式と重複することで
どんな化学反応が起きるのか。
楽しみな瞬間がまさに今ここで始まっている。
軽井沢ニューアートミュージアム
松橋英一
サンドアート映像で作品解説

花田和治の抽象絵画を解説を、文章ではなく
サンドアート映像で行うという画期的な試みです。
美術館内の花田和治の抽象絵画の隣に映像モニターが設置され、サンドアート集団SILTの船本恵太・あんじぃあんじゅ・竹谷和真によって作られた7作品のサンドアート映像が2月6日〜2月27日の会期中、常設上映されます。7作品のうち1作品は、花田和治の歴史そのもをサンドアートで表現し、北海道の一人の画家の生涯を追います。

開かれた窓 1993 ©︎Hanada
「映美のFANTASY」
見上げた空に浮かぶ雲が「像に見えた」
という花田和治の孫である映美ちゃんとの
体験から生まれた晩年の傑作を
解説したサンドアート映像の1シーン



サンドアート集団SILT(シルト)
船本恵太によって2012年に結成された9名のサンドアーティスト集団。アスタナ万博(カザフスタン)に日本代表として出演。日本レコード大賞にて水森かおりと共演。嵐フェス’13年(国立競技場)にて嵐の相葉雅紀にサンドアートを指導し、共にパフォーマンスをした映像上映。ミュージックステーションにて泰基博と共演。
米国のA Great Big Worldのグラミー賞受賞曲のM V制作。AAAのMV制作。1100万再生回数を超え世界第2位の再生回数のサンドアート動画となる。キスマイ、乃木坂、AKB、BUCKーTICK、UVERworld、イ・ジョンヒョン(CNBLUE)、高橋優、ケツメイシ等の映像制作。コブクロ20周年全国ツアー(京セラドーム、日本武道館、さいたまスーパーアリーナ、大阪城ホールなど)で共演。「シューイチ」にて中丸雄一(KATーTUN)に指導する等、62回に渡りTV番組出演。国内外で活躍中。

船本恵太

竹谷和真

あんじぃあんじゅ
SILTによるサンドアート
ライブパフォーマンス&ワークショップ
サンドアートとヴァイオリンの生演奏による華麗で
幻想的な砂の世界を皆様へ
お贈りします。



【サンドアートのライブパフォーマンス】
軽井沢の四季折々の美しい自然の中で育まれる
二人の男女の愛の物語の新作を
船本恵太とあんじぃあんじゅが披露いたします。
ライブは約30分間を予定しております。
SILTの代表作「日本」も披露いたします。
【サンドアートのワークショップ】
SILTの船本恵太・あんじぃあんじゅによるサン
ドアートのワークショップも開催いたします。
小さなお子様でも楽しめます。描いた砂絵をぜ
ひ記念に撮影したり、SNSにアップして楽しんで
ください。ワークショップはとくに時間制限は
ございませんので、短い時間でも、長い時間で
も、自由に楽しめます。


【サイン会&お土産コーナー】
美術館の販売コーナーでは、SILTのサンドアートの絵本、今回の特別企画用に作られたポストカード6種とA3プリント(額入り)3種もご用意いたしました。旅のお土産にどうぞ。SILTの船本恵太とあんじぃあんじゅによるサイン会もございます。
美術館内には、ブックカフェとイタリアンレストランも併設されておりますので、どうぞごゆっくり、軽井沢への旅をお楽しみください。
「花田和治の世界展」
スペシャルコラボメニュー
サンドアーティストが監修するラテアート&パンケーキアート

パンケーキアート 600円

ラテアート 500円
「映美のFANTASY」
空に浮かんだ雲が「象に見えた」という花田和治さんのお孫さん映美ちゃん。
そこから発想して生まれた、詩情溢れる花田和治さん晩年の名作「映美のFANTASY」をモティーフとしたサンドアート。
この作品を、ラテというミルクの泡で表現し、見て、香って、触れて、聞いて、味わって感じてみてください。
軽井沢で、あなたの心の旅に残る想い出の一杯を。
(※パンケーキアートもご注文いただけます。)
「三角山の近く」
「海と丘」
丸いソーサーが額ならば、丸いカップはキャンバスです。
三角で構成された「三角山の近く」に対して、
丸いソーサーと丸いカップという対比でポップに可愛らしくあしらってみました。
サンドアートのように儚いラテアートを、五感で楽しんでください。
飲むアートで、花田和治の世界を体感。
(※パンケーキアートもご注文いただけます。)
北海道札幌市生まれの花田和治さんが見た、北海道の海と丘の情景が表現された抽象絵画「海と丘」。
その丘の上に、一匹のキタキツネが立ち、海を眺めているところを想像して作り出したサンドアートを、ラテアートとパンケーキアートで表現してみました。
寒い北の大地に想いを馳せて、あたたかいカフェラテや、湯気が立つパンケーキを、どうぞ召し上がれ。
監修/船本恵太
チケット情報
●一般 : 1,200円
●電子チケット1名様 1,000円 電子チケット2名様 1,900円
※電子チケットは利用日の前日までご購入可能です。
●65歳以上・高大生 : 900円 中・小生 : 600円
※20名以上の団体で来館の場合、上記各観覧料の200円引き
※未就学児無料、障がい者無料(付添いの方1名は半額)
SILT パフォーマンス/ワークショップ:無料